スキ☆キス
「なにそれ」
うっすらと笑いながらクミタンが言う
「友達だから、わかるのっ」
私の全開の笑顔で、ピースをした。
「しょうがないなぁ、友達だから答えてあげるよ。エリリンの聞きたいこと、なんでも」
そうやって裏クミタンは、いつも通りに笑った。
近くの、あまり人が通らない階段に二人で座る。
私はさっそく質問をした。
「なんで自分以外はどうでもいいなんて、一琉に言ったの?」
クミタンは、そんなこと言う人じゃないのに
「うーん、なんていうか
本当は自分のこともどうでもいいんだ」
自分のことも…?
「俺さ、ある一人の女の人が忘れられなくて」
「その女の人って…?」
私が聞くと、クミタンは一度私の顔を見て笑った。
その表情が、なんだかいつもよりも"男"っぽかった。
「その人…朱里さんは、俺が初めて好きになった人だった」