スキ☆キス
 


―カシャン



「俺、先帰るわ」



いきなりそう言って、一琉は自転車にまたがった。



「え、なんで?」

「一緒に帰ろうよ、イッチー」



クミタンの言葉に、一琉は眉間に皺を寄せる

なに、またケンカ?



「あ!もしかしてイッチー、俺に気つかってくれてる?」

「そんなんじゃねぇよ」

「え?じゃあなんで?
俺とエリリンが仲良さそうに話してるのが嫌だったとか?」

「……っ違!!」

「へぇ、違うんだぁ」



また、二人でわけのわからない話をしてる。

なに?

また私、置いてけぼり?



「じゃあさっきの、協力してくれるよね?」



クミタンの質問に、黙りこむ一琉。

協力って…なに?なんのこと?



「っ…それは……」



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