スキ☆キス
「転入生の、仁篠絵里衣(ニシノ エリイ)さんだ。
みんな、仲良くするように。」
担任の先生が私の紹介を終えると同時に
ざわざわと教室が騒ぎ出す。
やっぱりこんな時期に転入生なんて、不思議がられてるのかな。
「エリって呼んでください、よろしく!」
私は自分の足元を見ながら簡潔に自己紹介をした。
「じゃあ、仁篠さんの席はあそこの空いてる席だから」
「はい」
私は一瞬で素早く空いている席を確認すると、目線を下に向けたまま歩き出した。
みんなの視線が集まる。
もう、6回目となると慣れたかも。
―カタン
自分の席に着くと、やっと一息ついた。