スキ☆キス
 


一琉は額をおさえながらため息をつくと、ボソッと小さく言った。



「でも、俺のおかげで気付けてよかったね」

「は?」



全く、意味がわからない

てか"でも"って何さ?



「っ、だから…
玖海に言われた言葉だろうが!」



あぁ、なるほど



「でも、どういう意味?気付けたって何に?」



私が聞くと、一琉はこれでもかってくらいに大きく目を見開いた。



「おまっ…それを聞くのか!?」

「だって、意味わかんないんだもん」

「…はぁ、これだからブスは」

「なっ!それを言うなら"バカ"じゃん!!
ブスなの関係ないでしょー!?」

「認めんなよ、バカ」



むっ…かつく!!!



「あーぁ…私、せっかく変われたと思ったのに」

「何がだよ」



やっと、変われたと思ってたんだよ



「一琉のこと、好きになったから
好きになった時からその人以外には興味がなくなって…誰かとキスしたいなんて感情も、無くなったのに」



あんたのおかげで



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