スキ☆キス
 


ドキドキする

キスは初めてじゃないのに

気持ちが通じ合っているってことが、こんなに幸せなことなんて


熱をおびた一琉の目を見て、私はそっと目をとじた。



「…路チューかよ、かっこいーな」

「「え」」



目を開けて辺りを見渡すと、似合わない単語を口にしたツッチーが、腕を組んで立っていた。



「よっ色男!」

「アツイねぇ!」



続けて達海とクミタンが騒ぐ。

なんで、3人がここに…!



「…まぁ、祝福の代わりに自転車塗り変えてやっといたから」



そういってツッチーは顎で自転車をさすと、いつの間にやったのか

一琉の自転車は綺麗に蛍光色で塗られていた。



「これで夜道も安全だよねー」

「いい加減悪趣味なアニマル柄も卒業しなきゃだしねー」



双子はペンキのついたハケを持ちながら、もう片方の手で汗をぬぐった。

変なとこで、気の合う二人



「お前ら…」



一琉はというと、獣のように表情をみるみる変えて

今にも三人に襲いかかりそう…



< 206 / 208 >

この作品をシェア

pagetop