スキ☆キス
「おまっ…未遂とか
そーゆー問題じゃねぇだろっ」
「だって実際何も起こらなかったわけだし…」
「…っ、いーから乗れっ!」
一琉は無理矢理私を後ろに乗せて、自分も自転車に跨った。
「…これなら、見なくてすむだろ
それに走ってる間は降りれないから、誰かに迷惑かけることもない」
確かに…
顔や唇は見えない。
ちゃんと、そこまで考えてくれてたんだ。
「うん…」
だけど、恥ずかしいよ
こんな……
「おし、行くぞーっ!」
こんな、ヒョウ柄だらけの男の人と帰るの。
だってよく見たら
自転車の塗装も、鞄の柄も、全部ヒョウ柄…
どこか1ヶ所だけなら、オシャレなんだろうけど…
私は一琉の腰に腕を回すと、誰にも顔を見られないように背中に顔を沈めた。