スキ☆キス
 


「はい、じゃあ今日はー…」



先生が何か話してる



「……………」



だけど全然話が頭に入ってこない



「……………」



だって……



「ねー」



すごい隣から視線感じるんだもんっ!



「ねぇ、聞いてる?」



隣をチラッと見ると、机に片肘をついてその手に顎をのせてこっちを見ている男の子がいた。



「はっ…はい?」



すぐに目を反らすと、両手をギュッと握って膝の上にのせた。



「なんでマスクなんてしてんの?」



男の子の疑問は最も。

私はカゼでもないのにマスクをつけていた。

朝、ママからもらったマスク。

今の私はガラガラ声でもなければ、目だって充血してるわけでもない。



「ほっ…ホコリに弱いから」



とっさに考えついた言い訳が、それだった。



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