スキ☆キス
私と槌谷くんの間には、きっと大きな壁がある。
だって全く逆のことを思ってる。
でも…私の考えは譲れない。
なら、相手の気持ちを変えるしかないんじゃない?
「エリ、って覚えて!!!」
2文字だけでも頭の角に置いておいてほしい
私のことを知っておいてほしい
「何、覚えたらもう話かけないでくれんの?」
「まさか!!だって私たち友達じゃん、友達の名前くらい覚えてて欲しいなぁって思って」
だって、友達だから
いらない壁は、壊さなきゃ。
「いつ友達になったんだよ…」
「え…だって人ってみんな、出会った時から友達でしょ?」
「……………」
何か、変なこと言ったかな?
槌谷くんは急に黙って本棚から離れると、出口のある方に向かった。
「え、なにっ…違うの?」
「うぜーよ、あんた」
「なっ…!?」
槌谷くんがそう言った後にすぐ、ドアが閉められた。
図書室には私一人になってしまった。
「言い逃げっ…!?」
むかつくーっ!