スキ☆キス
私の耳がおかしくなければ…
今、間違いなく"女装"って言った。
まさか……
「ちょっとごめん」
私はクミタンの胸に手をあてた。
「………………ない」
あるはずの柔らかさは、そこには無く…
代わりにがっちりとした筋肉がついていた。
「ちょっとぉー
エリリン何すんのぉ」
「だって…"女"友達って、言ったよね?」
クミタンの胸から手をはなして、顔を見上げると、むすっと口を尖らせている女の子の顔があった。
いや…正しくは"男の子"だったんだけど…
「あーぁ、自信あったのに…ばれちゃった」
「ふはははは!俺の勝ちだな」
「もぉっ、イッチー強すぎだよぉ」
勝手に盛り上がる一琉とクミタン。
放置されている私は、わけがわからないでいた。
「イッチーと玖海、賭けてたみたいなんだ。転入生に、玖海が男だって気付かれないかどうか」
軽く放心状態の私に、達海が説明をしてくれた。
賭けてた…って……
「だからぁ
騙しててごめんねっエリリン」
クミタンはペロッと舌を出す
男の子だってわかっていても…かわいい。