スキ☆キス
声をきかせて
校門の前でスゥと深呼吸をする
短い間だったけど、すごく楽しかった。
大丈夫、こんなのいつものことだもん
自分に言い聞かせて学校を出た。
「ちょっと待ったぁあ!!」
叫び声と共に、息を切らす達海と、ヒョウ柄の自転車に跨る一琉の姿が目の前に入ってきた。
自転車の後ろには一琉の腰にギュッと手を回すクミタンが乗っている。
「玖海から聞いたよ、エリーが転校するって」
「ごめんねぇ、タツミンがあまりにもしつこくてウザいから話しちゃったんだぁーそしたら、偶然イッチーにも…」
申し訳なさそうにクミタンが言う。
「黙って行くなよ」
なに、その安っぽいドラマみたいな止めかた。
テレビとかで見たことあるよ、私。
「ありがとう
でもごめん、もう決めたことだから…」