スキ☆キス
「っ…とにかく!
絶対来いよ!来なきゃおまっ…あれだからな!!」
そう言い捨てて、一琉は家の中に入って行ってしまった。
「あれって何さ、あれって…」
きっと、言うことが思いつかなかったんだろうけど。
次の日、私は予告通り一琉の家には寄らずにまっすぐ学校に来た。
するとさっそく、朝のHRが終わってからすぐに一琉が教室に来た。
「お前…今朝なぜ来なかった」
「え、てかどうしたの頭…」
私は一琉の頭を指差した。
いつもワックスでツンツンに立ててある一琉の髪の毛が、今は元気を無くしていた。
「なんで…来なかったんだよ
お陰で俺は何者かからの視線にビクビクしながら登校するハメになったんだぞ!」
「そうそう、だからエリリンの代わりにこっそりイッチーの後つけてぇー、玖海がボディーガードしてあげたんだからぁ」
ぎゆっと一琉の腕に巻き付いてクミタンが言う。
ちょっと!
その何者かからの視線ってクミタンだって!絶対!!