スキ☆キス
「それなのに…
玖海くんはあの男、三芳一琉にばっかり興味を持っちゃって…私のことなんて忘れちゃってるし」
女の子はぶすっと口を尖らせる。
「玖海くんに気に入られてるあの男はずるい!」
「だからってそんなの、人に嫌がらせしていいって理由にはなんないよ?」
なんだ一琉って、とんだとばっちりじゃん。
「だってそんなの、自分勝手じゃん
勝手に一琉に嫉妬して勝手に傷つけようとするなんて」
「なっ…!あなたに何がわかるのっ」
「だって私なら、私があなたの立場なら
そんな自分の嫉妬で他人を不幸にしようなんて考えない。
そんな暇があるなら、好きな人にその人よりもっと好きになってもらえるように努力する」
とか言う私は、そんなちゃんとした恋なんてしたことないんだけどね。
だから、少しこの子が羨ましい。