スキ☆キス
私は急いで紙袋に写真をつめると、一琉の腕を引っ張った。
「アイタタタタター!写真で手切ったから保健室ついてきてー!!」
「は?何で俺がっ…」
「いーから来ればいーんだっつーのバカ男」
「あ!?なんだとこのブスっ」
「あーもう!いいから早くっ!」
結局、私は無理矢理に一琉を引っ張って行った。
とりあえず、クミタンと女の子を二人きりにできたかな。
「ハァ…バカだなぁエリリンは」
二人がいなくなった後、ボソッと呟く
「あの…」
「あぁ、大丈夫だよぅ
全部聞いてたからぁーっ」
エリリンは嘘が下手すぎる
「それはもういいんだ。
それより、"俺"に何か話したい事があるんじゃないの?」
聞くと女の子は躊躇いがちに言った。
「名前…、呼んでくれないかな?廊下ですれ違った時とか、これから、いつでもいいから…」
「名前?」
「私、玖海くんにもっと自分の名前呼んで欲しいって思った。前はもっと普通の名前に憧れてて…でも、今は自分の名前が好きになった。だから…」
「いいよ」
結構、気に入った名前は覚えてるから
「結葉、でしょ?」