スキ☆キス
 


「なに…」

「手!」



そんなの、見たらわかるよ



「手が、どうしたの」

「こーすんのっ」



そう言うと達海は私の片手を握った。



「なっ、ちょっと…!」

「さぁ行こーっ」



抵抗する間もなく、達海は私の手を握ったまま歩き始めた。

そしてひたすら達海について行くこと数分…



「うーん、ねぇ何見る?」

「…ねぇ」

「ん?」

「なんで映画館!?」



私たちはなぜか、映画館にいた。

え、私たち買い物しに来たんだよね!?

達海のお母さんのプレゼント買いに!

なのにおかしくない!?



「だって、初デートっつったら映画でしょー」

「だからデートじゃ「あ、俺あれ見たい」



って、聞いてないし!!!



「もう、そんなんなら私来た意味ないじゃん。帰るっ」

「わー!待った!!」



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