スキ☆キス
「これ見たら、ちゃんと買い物行くから、ね?」
達海は寂しそうに子犬みたいな顔で訴えてきた。
そんな顔で見られたら…そんなの……
「わかった」
断れないじゃん。
達海が選んだ映画は、子犬が出てくる感動物。
…不覚にも、泣いてしまった。
映画を見終わってから
ご飯を食べたり
色々なお店を見て回ったり
達海はあれもほしいこれもほしいと、色んなものを買っていて
気づけば二人共、両手に大量の買い物袋をぶら下げていた。
「ごめんね、女の子に荷物持たせちゃって」
「いや、いーよ別に…」
達海はかなりの浪費家
あれだ、もし将来旦那さんにしたら苦労するタイプ。
「それより、お母さんのプレゼント買えた?」
そういえば思い返して見ると、達海はほとんど自分の物しか買っていなかった気がする。
「…うーん、まぁね。
ってかエリー!あれ乗ろっ」
私の手を引いて達海が走り出す