スキ☆キス
「ありがとう!すごく嬉しい!!」
私がぎゅうっとぬいぐるみを抱きしめると、達海は両手を前に出した。
「ちょっと、かして」
「はい」
ぬいぐるみを渡すと、達海はそれを目の前で持ち、その目をじっと見つめた。
「どうしたの?」
「これから、わんこと男同士の話すんの。盗み聞きしないでよ?」
なにそれ?
てか、オスだったんだ?
私はクスッと笑うと耳を塞いだ。
「はい、いーよっ」
本当は、まだ聞こえるけど。
達海は一瞬私を見てから、またぬいぐるみに視線を戻すと、しゃべり始めた。
「俺さ、今日ある女の子とデートしたくて嘘ついて誘ったんだ。」
ある女の子って…私のこと、だよね?
「その子は優しい子だから、いっぱい俺のワガママに付き合ってくれた。
おかげで今日はすっげー楽しかったし、またデートしたいって思った。」
達海…?