スキ☆キス
「何より、前よりもっともっと好きになった!」
達海は大きな声でそう言うと、私の顔を見てニコッと笑った。
気づいたら私の両手は耳から離れていて…
「好き、って…声がだよね?」
口からは自然とそんな言葉が漏れていた。
だって、前に言ってた
私の"声"が好きだって
「あーぁ、聞かれちゃった」
達海は子犬の鼻を私の鼻にコツンと優しくぶつけた。
「全部だよ、全部好きなんだ」
ぬいぐるみを掴んで胸の位置まで下ろすと、少し頬を赤くして笑っている達海の顔が見えた。
「エリー…」
達海が近づいてきて、お互いの鼻がぶつかる
こんなに近いと、まるでキスしてるみたいな感覚になる。
「へへっ、鼻チュー」
達海の息が私の唇に触れる
それだけで、心臓が飛び出しそうになるくらいドキドキする