ゆずの木
夏も終わりに近い。それでもまだ、夏は終わりそうにない。
「妊娠6週目ですよ。」
「えっ!?本当に?」
私は少し戸惑った。
額に汗がにじむ。
暑さのせいか、冷や汗か・・。
嬉しくないわけじゃない。
ただ ―――
私は16才。
母親になるには、世間一般的にまだ若い。まだまだやりたいことも夢も未来もある。
どうしていいかわからずあんぐりと口を開けたままの私に、医者(センセイ)は「産みますか?それとも…」と言葉に濁す。
あぁ。私が若いからか。
私は黙ったまま…
医者(センセイ)はもう一度口を開いた。
「まだ若いですし、ひとりでは決められないと思うので、一度ご家族に話されてまた一週間後にいらしてください。」
「もし…。」
「望んだ妊娠でなければ中絶は早い方がいいのですぐにでもいらしてください。」
―望んだ妊娠―
確かに望んではいなかった。だけど…
中絶………
その言葉は私の心に深く突き刺さる。
「妊娠6週目ですよ。」
「えっ!?本当に?」
私は少し戸惑った。
額に汗がにじむ。
暑さのせいか、冷や汗か・・。
嬉しくないわけじゃない。
ただ ―――
私は16才。
母親になるには、世間一般的にまだ若い。まだまだやりたいことも夢も未来もある。
どうしていいかわからずあんぐりと口を開けたままの私に、医者(センセイ)は「産みますか?それとも…」と言葉に濁す。
あぁ。私が若いからか。
私は黙ったまま…
医者(センセイ)はもう一度口を開いた。
「まだ若いですし、ひとりでは決められないと思うので、一度ご家族に話されてまた一週間後にいらしてください。」
「もし…。」
「望んだ妊娠でなければ中絶は早い方がいいのですぐにでもいらしてください。」
―望んだ妊娠―
確かに望んではいなかった。だけど…
中絶………
その言葉は私の心に深く突き刺さる。