ゆずの木
「あのね・・。」

何から話そう・・何から話せば・・。

言葉に詰まりながら話し始めた。


「私、好きな人がいるの。私の初めて好きになった男(ヒト)。バイト先の先輩で、【拓海(タクミ)】って言うの。でも拓海には大切な彼女がいて…。」

頭の中を整理しながら話して行く。

「彼女がいることを知っても私はどうしても諦められなくて…。」

私は無言になる。

すると、「そっか。片思いは辛いよね。美月。」と言って、頭を撫でてくれるお母さん。

―お母さん。ごめんね。私、都合のいい女なの。二番目でも拓海の側にいたいの。例え“身体の関係“だけでも―


私の言葉は心の中で消えてしまった。

こんな事言ったらお母さん悲しむ・・・。

ましてや、赤ちゃんがいるなんて・・。
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