プリンセスゲーム
「所で、私これから何すれば良いの?」

ただでこんなゴージャスな暮らしをさせてもらえるなんて思ってはいない。

飯田さんも当然と言うように頷き、新しく淹れ変えた紅茶を差し出しながら

「本日のご予定は大旦那様とランチをご一緒に。
お引越のご挨拶に隣の橘邸へご挨拶を。帰宅後に御披露目パーティーのドレスの採寸と仮縫い。
ディナーの席でご親戚の皆様様方と会食となっております」

「なってますって、それ全部するの!?」

「はい」

にっこりと爽やかに笑う微笑みに眩暈を覚えた。

「まだなれないこともございましょう。
わたくしも全力でお手伝いさせて頂きます。
がんがんましょう」

笑顔で言い切った飯田さんにイヤだとも言えず、

「とりあえず、お昼まで何か軽く食べさせて下さい」

剣もいらねばペンも必要としない笑顔が武器の飯田さんにときめきながらも、このドキドキ感はきっと別物だと思いたかった。
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