プリンセスゲーム
「先ほど言っておくべきなのでしたが、すみません」

あははと笑う先生の顔の引き攣りに大丈夫かこの人はと思うも、出席表をもって

「机の上には筆箱だけ。古文、生物、数学になってるから、がんばってね」

言って颯爽と去って行ってしまった先生をポカンと眺めながら、折角の素敵なイメージにヒビが入った。

「ふふ、真鍋先生はずーっとあの調子ですのよ」

前の席の女の子が振り向いた。
ふわっふわのモンブランカラーの髪の瞳の大きな女の子だった。

「初めまして。宝生のぞみ。よろしくね」

「うん。よろしく」

「今日からテストなのに、不運でしたね」

「テストだけなら不運じゃないよ。
前の学校だってもうすぐテストだったし、この季節なら仕方がないんじゃないかな?」

「あら、私だったらテスト受けずに済めば越した事はないと思ってるのに」

「それはみんなが思ってることだよ」

少し離れた所から長髪の美人がやってきた。
< 104 / 130 >

この作品をシェア

pagetop