プリンセスゲーム
「一条さん、新しいクラスメイトに、いえ、親切にするというのは人として当然の事です」

静かな、控えめな声音はまるで一条さんと呼ばれた人とはまるっきり正反対の静の美人と言った姿だ。

「あ、あの・・・」

なんだか不穏な空気が発生したから慌てて宝生さんにどういうことかと聞けば

「学年主席と永遠のナンバー2の醜い争いなの。
学年主席が自動的に生徒会の会長になれるから、一条さんはどうしても生徒会長になりたいゆえの嫉妬よ」

こっそりと耳打ちしてくれた。

「会長になると何かあるの?」

何か美味しい特典でもあるかと聞けば

「卒業後、聖ルテオローザ生徒会長って言う名前がいろんな社交界で有名になれるし、箔が付くって言うの?そんな感じ」

「ちなみに智子は別にがんばってるつもりは無いみたいだけど、一条さんがああでしょ?
相当腹に溜めかねてるようで意地になってるって言う感じ」
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