プリンセスゲーム
あはは・・・なんてあきれたように説明を聞けばいつの間にかカラーン、カラーンなんて、チャペルのベルのような音の予鈴だった。

「音まで違う・・・」

県立の安い合図とは別物だな、なんて感心していれば、あっという間に高齢の女性教師がやってきて、今日転入の私に目を止めて多少驚くもそのまま静かに手早くテストが始まった。
そしてあっという間に本日予定の三教科をおえて、私は魂が抜ける重いというものを体験した。

ホームルームで真鍋先生が和やかに私に向って

「鹿野、今日のテストの感想は?」

クラス全員が私の発言を待っているような気配に

「疲れました」

「だろうな」

ははは、なんて笑って

「手ごたえは?」

「なんだかもう・・・」

なんで今更中学の復習をしなくちゃいけないのって心の中で叫んだ。
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