プリンセスゲーム
「飯田さんは踊れる?」

初日から私の難題に付き合わされそうになった彼は小さなクッキーをお茶菓子として出してくれて

「一般知識とした程度に」

ワルツ踊るのも執事の条件なのね…

関心しながらワルツの踊れる有能な執事に頼み込んでみることにする。

「夏までに私が踊れるようにして!!
ワルツが踊れなくってフランスの古城に行くのを諦めるなんて勿体無い!!」

迫るように訴えればクスリなんて小さく笑って

「仰せのままに」

いきなり恭しく頭を下げたりするからちょっとドキリとしてしまった。

こんな経験なんて今までないから、免疫がないからのぼせてしまいそうになり、慌てて背中を向ける。
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