プリンセスゲーム
「休憩なさいますか」

「うん。
さすがに足が痛いかも…」

椅子に座りパンプスを脱げば、小指は赤く腫れていて、踵も同じように赤くなっていた。

「靴擦れなんて久しぶりかも」

両足真っ赤になった足に息を吹きかけ冷やしてみるも、効果はない。

「お嬢様、足の治療を」

飯田さんは何処からか持ってきた薬箱の中身を広げる。
膝を折った足の上に私の足を置いて消毒薬を吹きかける。

「しみますか?」

「大丈夫。思ったより痛くないかも」

薬を塗って絆創膏を四カ所貼ってくれた。
満身創痍って感じ。

「飯田さん、あのパンプス履かなくちゃいけないの?」

薬箱を片付けて、患部を触らないサンダルを差し出してくれた。

「そうですね。
橘様の身長は私より高いようでしたので約180センチとすると、身長差を考えると10センチのヒールはほしい所です」

見た目重視の社交界。
ダンスの相手に合わせるのもマナーという…

「泣けてきたかも」
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