プリンセスゲーム
とは言え、まだまだ学んで頂く事は山のようにある。

ワルツのレッスンを終えたお嬢様は自室でランチをとり、クローゼットに片付けられた荷物を解きにかかられていた。

「飯田さん。本当にあの立派な机つかっちゃっていいの?」

「このお部屋の物はすべてお嬢様のものです。お好きにお使いくださって結構です」

「そう言って、やっぱりお前はよその子だ…
なんてオチぢゃないよね?」

「そんなオチはありませんよ。
大旦那様始め屋敷の者一同、貴都様ご一家お戻りなさる日をどれだけ楽しみにしていた事か」

「うちでは親戚は居ないって聞いてたからね。
親戚が居たってだけでもうビックリ」

言いながら、ダンボール箱から取り出した本を本棚に並べる。

私も箱を運んだり手伝いながら

「お嬢様は確かに鹿野家、貴都様の御息女です。
何も不安になさる事はありません」

「お父さんの実家がこんな金持ちって言うのが一番信じらんないけどね」

納得出来ないと言う顔で少々乱暴に本を並べる。
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