プリンセスゲーム
暫くしてワゴンを引っ張ってきて目の前で紅茶を淹れてくれる。

私はその間ベッドの上でパニックを起こしながらも状況を把握しようと努力してみる。

「あの…」

呼びかければ男の人は柔らかな笑みで振り向いた。

すごい優しそうな人…

私の第一印象。

きっと大切な人がいたらどこまでも大切にするんだろうと推測する。

なのに、私は今からひどい事を聞こうとしている。

「お名前なんでしたっけ?」

優しそうな顔がほんの一瞬崩れたのを見逃せなかった。
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