プリンセスゲーム
「そう言えば、他の家財道具とかどうなってるか知ってる?」

思い出したように顔を上げたお嬢様の質問に

「屋敷の倉庫に保管してあります。
何か必要なものがございましたら取りに行かせますが?」

お嬢様の物と思うかぎりの物はすべてクローゼットに収納させたはずだが…と思えば

「ただ確認しただけよ。なにか思い出したらお願いするかも。
ああ、学校とかの住所変更の手続きとかあるから後でここの住所教えてね。
あと…」

メモ帳に気になる事を書いては確認する細かな様子につい笑ってしまい

「お嬢様がそのような事に悩む事はありません。
わたくしが責任をもって手続きの変更などいたします。
ご安心下さい」

「飯田さんありがとう」

「そのための執事です。
何なりと申しつけ下さい」

わたしの事をさん付けで呼んだり、僕に感謝したりと、庶民の中で生活されたお嬢様は少々規格外なお嬢様だけど、わたくしはそうお育てになさられた貴都様のご教育方針に従い、あえて口出ししない事を大旦那様に承諾頂く事にした。
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