プリンセスゲーム

彼氏出来なくてもいいってわけじゃない。

ただ断ってもいいって事だから、一度くらい会ってみても悪くないと思う。

「どんな人だと思う？」

自室に戻ったあと飯田さんに聞けば、いつもと変わり映えしない顔で

「大旦那様に伺ってきましょうか？」

資料ぐらいあるはずだとどこか事務的な口調に居心地が悪い。

なんか私の態度悪かったかしら…

２日目とは言えなれなれしかったかしらと、応接セットではなく勉強机の方の椅子に座り

「ねぇ、飯田さん。
ダンスの練習の前に聞きたい事あるんだけど」

「…」

「飯田さん？」

もう一度呼べば弾かれたように顔を上げた。

「何でございましょう」

呼び直した事にも気付かず私の言葉をまつ執事に軽い会話からはいる。

「昨日はスーツだったけど、今日は燕尾服なんですね。よく似合ってます」

「ありがとうございます」

会話にならねぇ…