プリンセスゲーム
鹿野家は大旦那様の祖父にあたる弓彦様が明治の時代にオランダを始めとする外国との貿易に成功して一代で財を成されました。

その財を元に御子息にあたる藤治郎様が今で言うホテル業を営み、財界を始めとする一流の名士にご贔屓頂き、鹿野家の確固たる地位を築きました。

その後戦争など不幸な時代を迎え、鹿野家も例外なく財産を失いました。
ですが、藤治郎様の御子息にあたる、当代当主の幸一郎様が戦後の医療の遅れを嘆き医療の発展に力を入れられまして、弓彦様、藤治郎様の事業の功績と人と人の縁にご助力頂き、このように立派な御屋敷にお住まいになるまでになりました。

一族揃ってのサクセスストーリーにはまるで映画のようだと感動すら覚えた。

「すごいお家だったんですね」

間違ってもサラリーの家庭では考えられない壮大な歴史に溜め息を吐いてしまう。
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