プリンセスゲーム
すらりとした背はイヤミほど高くはないものの、優雅な足取りはまるでしなやかな猫のよう。
お祖父様と握手をして進められた椅子に座れば今度は私を呼ぶ。

「椛こっちに」

呼ばれてお祖父様が座る席の横に立つ。

「昨日も上條と話をしたが、これが産まれた時に約束した郁君の婚約者だ」

昨日、今日の話しじゃなかったみたい。ちょっと驚きだ。

「初めまして、上條郁です」

柔らかな笑みと優しげな声にドキドキするのはー当たり前じゃん!

「初めまして。鹿野椛です」

テンション高めの挨拶に苦笑する様すらかっこいい!
最初は婚約なんて冗談じゃないと思ったけど、こんなクールビューティーな素敵な人だなんて!
いきなり断るなんて事私には出来ない!!

断わられるまでお付き合いしても良いかなーなんて心の中では一目惚れ状態だ。
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