プリンセスゲーム
「1つ言っておく事がある」

長い沈黙のあと、遠くに見えるお屋敷を眺めながら淡々と言う。

「キミとの婚約だが俺が鹿野商事を手に入れる為の婚約だ。
それだけの意味しかなく、それ以上の意味はない。
キミも鹿野家の一員ならそれなりの覚悟で居なさい」

屋敷でみた微笑みは嘘のよう…嘘そのものだった事を今知る。
冷血と言う視線そのもので私を見て、目をそらす。
体中の血が冷めて行くように、心まで冷え切っていく。
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