プリンセスゲーム
ピンポーン…

音としては模範的な電子音だけど、一度繋がった回線は無惨にも切られた。
一瞬そんな…なんて思ったけど、直ぐに思い違いと判明。

外にまで聞こえる足音といきなり開いた木製のドア。
驚く私よりも驚いた顔は昨日知り合ったばかりの顔。

「椛さん…だったよね。一体…」

どうしだの?と尋ねるはずだったんだろうけど、彼は顔を歪めて

「早く入って」

冷え切った手をつかんで土足のまま家に上がってしまった。
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