プリンセスゲーム
温かなココアをもらい、ぺこぺこのおなかにじんわりと甘さが染み渡る。
昼前から歩き詰めと言えば、凪君がお菓子を広げてくれた。

「また、何であの山を越えて来るかな?表の道路なら30分で来れるのに」
「庭の山で遭難されたら橘さんになんて報告すれば…」

大人二人組は呆れたような、困ったような、でも笑っている。

「ご迷惑かけてすみません」

少し満たされたお腹に、少し笑う気力が湧いた。
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