プリンセスゲーム
「こんな所に居たのか。鹿野のお爺様も心配なさってる。帰るよ」

人目があるせいか優しそうな顔で笑っているも、あまりにも場違いな笑みだけに室内の空気は重い。
差し伸べられた手が怖く、反射的に怯えてしまえば

「こんな時間に呼び出されたと思ったらなんだこの空気の読めない男は」

更に新たな声。

飯田さんが突然の新しい人物の出現に道を譲る。

「寒空の中にいないで入れてもらえないか凪君?」
「幸人さん、何で・・・」
「あのバカにすぐ行けって命令だ。命令だぞあのバカの!!!」
「父さん・・・すみません迷惑お掛けします」
「どうぞ入ってください」
「ああ、だが、上条は入るな。凪の部屋が穢れる」

いきなりのつっけんどんに当人はもちろんその場の空気が一度下がった。
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