プリンセスゲーム
屋敷に戻れば、心配したというように使用人の人たちがずらりと並んで待っていた。
これは罰ゲームだなと「お嬢様お帰りなさいませ」と頭が下がるウェーブを眺めながら頭の中で「いつまでほっつき歩いてる!さっさと帰ってこないから残業じゃないか!!」と自動変換。
申し訳ない・・・
とりあえずは飯田さんに使用人にはいちいち挨拶するなと教え込まれているので、両側から圧迫ある壁を通り抜けて上條さんとおじい様の所へと向う。
既にお風呂へと入られたのか、厚手のガウンを着込み薪ストーブの前でゆったりと本を読んでいた。
コーヒーの香りが広がり、すぐ後ろにはおじい様の執事の久野さんが控えていた。
戻った私達に久野さんはコーヒーを入れてくれて、ソファに座るように勧めてくれた。
小さなテーブルを囲むように座れば、まず私は立ち上がり頭を下げた。

「こんな遅くまでご心配をかけまして申し訳ありません」

森の中を彷徨っていた時は二度と帰るかなんて思ったけど、いざおじい様のお顔を見ると・・・疲れきった顔色に自分がどれだけ心配をかけたのかが良く判った。
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