プリンセスゲーム
「お前の父を、貴都と綾乃を失ったばかりだというのにお前まで失ってしまうと思ったら気が気でなかった。
頼むから心配させないでくれ」
涙が落ちそうな告白だった。
私は私のお父さんとお母さんを失っただけなのに、おじい様は更に私を失うという悲しみを覚えなくてはいけない所だった。
不意に凪君の所での会話を思い出す。

家族に成り立てだからきっと意見の食い違いだって沢山あるだろうし価値観の違いだって避けられない。だけど理解しあえるって言う心があるだろ?たった一日で降参したら、亡くなったお父さんとお母さんが悲しむと思うな

誰が言ったのか思い出せいけど、私は経った一日の家族ごっこを満喫しドロップアウトする所だった。
だけど、血の繋がりはどこまでも繋がっていて、私が笑えば喜んでくれる人が居て、私が悲しめば悲しんでくれる人が居る。
私が一人じゃないって心から感じたこの瞬間

厚みのある体に両手を回し、父と母の訃報を聞いて以来の涙を声を上げながら何度も「ごめんなさい」と繰り返して誤った。
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