プリンセスゲーム
「それにしても、編入テストには驚かせて頂きました。まさかあの問題を総て満点で。
クラスの方はあなたの学力に合わせて編成させて頂きましたが、外からお見えになると何かと戸惑いはありますががんばってくださいね」

なんていって一人の教師を呼び寄せる。
はい、と返事を返して校長室に現れたのはシスターの姿ではなくスーツ姿の男性。

「こちらは真鍋圭輔先生。あなたの1-Aの担任になります」

三十前後の落ち着いた雰囲気の眼鏡が似合う優しげな面立ちだがきりりとした口調の先生に思わずキュンと来る。
理想の先生を絵に描いた姿におじい様ありがとうなんてゲンキンにも思ってしまうのだが・・・つい先日それで痛い目を見たばっかりなのだ。騙されないぞとあの日動揺したまま急ぎ足で家を飛び出した一応のフィアンセのその後の話は何も聞いていない。どうしたか気になるが、今は目の前の理想の先生像に釘付けだ。

「初めまして。担任の真鍋慶介です」
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