ROCKな人魚姫《後編》


次の練習日を目前にして、なんとか曲を覚えた。


これで、今週もユウと部室での時間を過ごすことができる。


ユウの好きなバンドがわかって、ユウの好きな曲を覚えたあたしは、なんだか久しぶりに心に余裕が出来たように感じた。



「エミ、久しぶり。バンドの調子どう?」


「うん。文化祭までに間に合うか不安だけど、ステージにあがれることになったよ。」



夏休みを終えてから、週に1度のサークルのミーティングも顔を出したり出さなかったりしたため、エミと会うのも結構久しぶりになってしまった。


「本当に。よかったじゃん!」


エミの文化祭デビューに素直に喜ぶあたし。


「あっ。そうそう。今週から、文化祭の準備が始まるから、部室は使えなくなっちゃうみたい。」


エミからの衝撃の事実。


「・・・・」










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