ROCKな人魚姫《後編》
えっ!?
見ているこっちがドキドキしてしまう。
だって、間接キスだよ!?
・・・今どき、こんなことくらいで動揺してしまうあたしが古い人間だというだけなのかもしれないけれど。
一口分のアルコールを流しこむところを見届けると、ユウは「サンキュ。」とあたしにビンを返してきた。
「れんも飲んだ?」
ビンの返却を促され、思い切ってユウのビールを一口流し込んだ。
そのビンを口から放すとすぐにユウの瓶を返しあたしの瓶も受け取った。
口に含んだままのユウのビールを一気に喉に流し込み、この緊張も一気に流してしまいたいと思った。
あたし、間接キスした・・・よね。
やっぱりさっきのことが走馬灯のようにぐるぐると頭を駆け巡り、胸の鼓動はおさまることはなくて、さっき一口飲んだばかりのユウの瓶に目が行ってしまう。
あたしが飲んだ瓶、ユウはどうするのだろう。
なんて考えてしまうがまだ瓶に液体が残っているということは、ユウがそれに口をつけることは誰でも予想できる事だ。