『liar』
「ユキ、上でメシ食べよう」

「……え?……でも…」


数時間前に告白をされ、連れて来られたばかりである。

いくら“心地良い”と感じたとしても、積極的ではないユキにとっては、すぐに立ち上がる事が出来なかった。


「今日からココに住むんだから、一応会っておいた方が良い。
風呂もあるし」


眞司の優しい言い方に、ユキは頷いた。

正直な所は、まだ住む事を決めた訳ではない。

でも、眞司の眼差しや言葉は、今までに経験した事のないあたたかさがあった。


ユキは、そのあたたかさをもっと感じたいと思い始めていたのだ……





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