『liar』

ユキは、マキの事が嫌いだった。


でも、幸子に捨てられない為には『良いお姉ちゃん』を、演じなければならない。


マキの調子が良い時は、外に遊びに連れて行く。


近所の子供と一緒に、泥だらけになりながら、

「マキも一緒にやりたい」

と言えば、仲間に入れた。


擦り傷など、当たり前に出来る。


“バシッ”

「マキが怪我をしたらどーすんのっ」

擦り剥いたマキの足を見て、幸子はユキを叩く。


理由など聞かない。


マキに良くない事は、全てユキのせい。


ユキは、幸子に捨てられない為に………


「…ご…ごめん…なさい……」

と言う。





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