『liar』
いつもの事。
週末の夜、11時。
歩いている人もなく、大型のトラックが行き交う国道沿いで、車のボンネットを開けて、困った様に覗き込む。
「大丈夫ですか?」
声をかけてくるのは男。
私は、胸元を強調するような服を着て、連れが居ない、一人で居る男にだけ返事をする。
「どうしたら良いのか………」
エンジンのかけ方にコツが要るだけで、壊れている訳ではない、私の車。
優しい?男は、車を寄せて、
「良かったら、送りますよ?」
と、必ず、笑顔で言う。