『liar』
「ほらっ、ユキも早く来いっ」
ーーーイヤだ………
その一言が言えず、ただ、目に涙をためていた。
脱衣所で、はしゃぎながら裸になるマキとは対称的に、唇をかみしめたまま動く事が出来ないユキ。
「…あたし……、
女湯に入りたい……」
やっとの思いで搾り出した言葉は、
「ダメだ。
こんな所でバラバラになったら迷子になる。
子供のくせに恥ずかしがるなっ」
勉の言葉で、消されてしまう。
「ほらっ、早くしろっ。
色気付きやがってっ」
勉が、ユキを無理矢理裸にする。
さらに強く、唇をかみしめて、ユキは裸になった。