『liar』
ーーー子供のくせに…
色気付きやがって……ー


体が変化していく事を、誰にも知られたくない。

そんな年頃のユキを、勉が吐いた言葉は、深く傷付けた。



傷付けた当人の勉は、そんな事には気付いてなく、他の親達と仲良くなり、帰りのバスの中を盛り上げている。

「良いお父さんね」

口々に、他の親達が言う。



定員いっぱいに乗り込んだバスの中、まるで全員が敵であるかの様に、ユキは孤独を感じていた。





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