『liar』
「家はドコ?」


そう聞いてから、私の車が他県ナンバーだと男が気付き、私からの言葉を待つ。


「……じゃあ…、
近くの駅まで、送って戴けますか?」


私の車を、近くの駐車場まで二人で押して、私はそのまま、男の車に乗り込む。



「この時間じゃ、電車はないよねぇ?」

「始発まで、駅で待ちます…」


わざとらしく、胸の辺りを押さえながら、私は言う。



「駅は危ないよ?
ファミレスでも行って、時間潰そうか?
付き合うよ?」





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