『liar』

家の中では孤独を感じているユキも、学校は楽しかった。


友達も沢山いたし、何よりも、勉が居ない。


だから、少しぐらいお腹が痛くても、風邪をひいても、学校は休まなかったのだ。



「ねぇ、ユキちゃん。
明日は、みんなで“サンドイッチ”にしよう!」


明日は遠足。

友達みんなと、約束してしまった。


ユキは、夕食の支度をしてる勉に、勇気を出して言ってみる。


「…あの…お父さん。
明日…サンドイッチに…して…欲しい…」

ユキから、何かをねだった事は初めてだった。


「分かったよ。
じゃあ、食パンを買って来てくれ」


ユキは急いで、スーパーへ向かった。





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