『liar』


「買って来たョ」

「ありがとう」

勉は機嫌が良かったのか、普段は見せない笑顔で、買い物から帰ったユキを迎える。





ーーーーーそして夕食。

いつもの様に、三人でカレーライスを食べていた。


「マキ、明日はサンドイッチを作ってやるゾ」

どちらかと言えば、和食しか作れない勉が、明日の遠足の為に張り切っている。


「えーーっ!?
マキは“おにぎり”が良い。タラコのおにぎり」

「サンドイッチも美味しいゾ?」

「マキは、おにぎりが良いのっ!」


やっぱり、マキなんて嫌い。


可愛いマキが言ったら、勉は聞いてしまう。


「ユキ、明日は“おにぎり”にするからな?」

「だって、約束……」





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