『liar』
ーーーーー無視。
ユキは、誰にも口を聞いて貰えなくなった。
「おはよう……」
ユキの発した言葉は、受け取る相手が見付からず、消えて行った。
集団の中の孤独。
クラスには、ユキは存在していない。
昨日まで、一緒に遊んでいた友達も、ユキと云う人間は、最初から居なかったかの様に、口を聞かなかった。
『別に良い………』
ユキは、そう思っていた。
自分は“透明人間”になったのだと……
みんなには見えないのだから、仕方がないと………