『liar』
去年の遠足以来、潮が引く様に去って行った友達は、とっくに、ターゲットを代えていた。
そして、そのターゲットになった“サオリ”と、ユキは仲良くなった。
「ねぇ!名前を呼び捨てで呼び合おうョ!」
目が大きくて、サラサラの長い髪を、いつも可愛く結っている。
サオリは、お人形の様な女の子だった。
嫉妬から、仲間外れにされたサオリ。
いつも泣いているサオリに、ユキから声をかけた。
「そんなに泣いてたら、お母さんが心配するョ」
こうして二人は、同じ辛さを共有して乗り越え、友達になったのだ。